脱大手病のために

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近年言われるようになった大手病とは

新卒の就職活動というと、大手を中心に考えていく時代がありました。
企業としての安定性を求め、終身その会社で働くということが中心だったからです。
しかし、社会は変化し、大手だからと言って安定しているといえなくなってきているでしょう。

その中で、大手病という言い方が出てきました。
リスクを考えず、大手ばかりを就職のターゲットとする人のことを差します。

大手病の場合には、その業界に勤めたいとか、その会社でなければいけないといったポリシーがあるわけではなく、自分は能力が高いのだから有名企業でなければいけないといった考え方があったりするのです。
ですが、実際に受けてみるとどこの企業にも断られてしまい、ひどい場合には就職浪人を迎えてしまうケースも少なくないのです。

この背景には、就職を迎える本人よりも、親の世代が安定性を求めて大学に行き、有名企業に勤めることが安定を指していた時代だったということもあります。
その例が出ている記事です。
参考:内定ゼロの子に言ってはいけないワード「DIAMOND ONLINE」

大手企業は果たして安泰か

大手企業が安定しているかどうかは、表面上ではわからないこともあります。
名前を知っているから、明日つぶれないなどということは、今の企業にはありません。
もしかしたら、明日買収されて違う企業に吸収されることだってあるのです。

大手病の最大のリスクは、名前だけで社会を知らないということでしょう。
幻想を抱いているという言い方もできます。
自分は有能だから、大手企業以外は就職先として考える必要はない、そう思い込んでいるからです。

今の新卒の大半にいえることでもありますが、有名企業の表面上のことは知っていても、その企業に勤めたいわけではありません。
大手だからこそ勤めたいだけでは、人事も見抜いてしまうのが当然なのです。
表面を飾ったところで、中身が伴わなければ、そんな人材は今の世の中必要ありません。

優れた企業は、大手以外にたくさん存在します。
大手を支えているのは、大手企業ではなく、他の企業だったりすることもたくさんあるからです。

社会を考えてみると、日本の企業の中で97%は中小企業です。
大手を捨てて中小企業にシフトしろということではありませんが、大手病と呼ばれるような視野狭窄に陥るのではなく、もっとグローバルな視点が必要な時代になっています。

現実を考えること

大手病にかかるような人は、実際に勤めてみると仕事の内容が違ったりするだけで挫折してしまうでしょう。
大手建設会社だからと言って、現場は全く関係ないと思ったら、研修名目で担ぎ出され涙を流し、精神的にもずたずたになって辞めていく人だっています。

学生が考えるほど社会は甘いものではありませんし、これをブラック企業だと考えた時点で社会的な適正にかけているともいえるでしょう。
知らないものを知るために、手で触って知識や経験を深めるのは当然だからです。
ゆとりという言葉だけでは、社会は受け入れてなどくれません。

社会は新卒の学生が思っているよりも順調に回っているのではなく、山あり谷ありなのです。
社会的な対策もありますので、下記のようなサイトも見て見るべきでしょう。
参考:本当の就職難対策とは「アゴラ」

社会的にも大手は就職先として是であるといった悪い風潮も存在します。
ですが、最も必要なことは、自分の能力を生かすことができる場はいったいどこにあるかを考えることです。
その場所が、名前の知れた企業であるのであれば、それはもう大手病などと呼ばれるものではないでしょう。

現実を考え、自己を客観視し、社会情勢も踏まえて就職先を探していきましょう。
もっと重視しなければいけない会社は、日本の中だけでも星の数ほどあるのです。